仕事でタイに行ってきました。飛行機がバンコク郊外の空港に下りる直前、窓の外を見ると…ずらりと並んだ赤い屋根に緑の芝生の新しい家・家・家…ああ!ここにもニュータウンが!
ニュータウン育ちにはわかるのです。上空から見ても、そこがニュータウンだということが。まずそこは、1.規模があり、住宅だけでなく、道路や学校、ショッピングセンターといった「町全体」をセットで作ろうとしている。2.ゴージャスかシンプルか、一戸建てか集合住宅か、本当に単調なリピートか多少の変化をつけているかは別として、新しい家がずらりと規格化されて並んでいる。3.「計画された」「モダンな」(多くの場合西洋風の)スタイルが反映されていて、周辺のアジア的混沌と一線を画している。4.大都市近郊に立地していることが多い。…それは1960年代の千里にも、2006年のバンコク郊外のとある町にも、まったく共通する要素でした。
「ニュータウン」はもともと産業革命後のイギリスの工業化・高度経済成長→人口の都市集中を機に始まった考え方で、ヨーロッパの各国でもアメリカでも、同じような経済ステージにあった国には同じように発生したようです。その波が日本を通り過ぎ…まだ行ったことないですが、中国の上海の映像などを見ていても、「ああ、ここは上海のニュータウンかな」と思える町を時々見かけます。1960年代に開発された旧東ドイツのとある団地の写真を見ていても「ここ、竹見台?」と思っちゃうからニュータウン育ちってやつは…。
タイはやはり経済成長と人口の都市集中期にあるらしく、年1回行くたびにバンコクはメインストリートの上に高速道路ができ、高層ビルが増え、公共交通もスカイトレインと地下鉄合わせて3路線があります。大阪が地下鉄3路線だったのは1965年前後。ちょうどその頃の勢いを感じさせるステージです。
「大量に」かつ「質も落とさず合理的に」作ろうとした町=「ニュータウン」の風景は、違う国でも本当に似ていると感じる一面があります。
日本には39の、世界には300の「ニュータウン」があるそうです。…っていうことは、千里の人たちが経験したことは、けっこうグローバルで共有する価値があるってことかも?千里がいま経験していることは、数十年後に上海やバンコクやムンバイで起きる可能性が、けっこうある。そのノウハウを世界に発信できたら、それはPKO以上の国際貢献になるかも?千里はひとりじゃないのです。
…ところで「世界で300」っていうのは何かのシンポジウムで誰かが発表してたようなんですが、このリストをどなたかお持ちの方はいらっしゃいませんか?知りたい!世界で300のニュータウンって、どこ?
(by okkun)
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