博物館のお客様(その2)

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吹田市立博物館にも英語の説明をおくべきか?

常設展示を見て回ったハドソンさんが、この博物館には英語のプレートや説明を置かないのかと尋ねてきた。
ン?、痛いところをつかれた、市民からも国際性がたりませんねと、ときおり指摘される。
「観客数の問題ですね、この博物館はまず日本人を増やさないと」、「予算の問題もあるし、いまのところは、個別的に案内するので十分だと思っています」と答えたのだが、視覚障害者を意識した展示をやってるにしては苦しいところ。
METでは日本や中国、メキシコ展示などについては(需要を意識して)それぞれの国の言葉でパンフレットをつくっている。

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しかし、外国語表記というのは実は大変難しい。
ミンパクでは、今でも英語のプレートさえ置いていないが、大きな論争があり、解決にいたらなかったからだ。

世界的な民族学博物館をめざすということで、大きな地域割りに関しては、英語をはじめとして、国連の公用語をつけることにした。そうすると、個々の展示物についてもそうするのか。まず、ぴったりした用語が定まらないこと、たとえばザルは、(和英辞典をみて)バンブー・バスケットでいいのかどうか、濾し器につかわれたものはどうなる、少数民族のモノの現地語表記は、等々もめにもめるのである(えてして学者の論議はそうなるものだ)。それを七ヶ国語で書くと陳列は字だらけになってしまう。

のちに、日本のハイテクを利用して、小型コンピューターを持ち歩く英語の「電子ガイド」をつくることにしたが、膨大な開発費がかかり、それにもまして、コンテンツ作りが大変だった。

最近の国際化を反映して、駅や道の標識に中国語、韓国語が増えているし、小学生から英語を習う時代になった。この博物館が、そんな時代要請にどう応えていくのか、やはり、考えてみる必要はあるだろう。

(カンチョー)

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