変体仮名看板探訪記(その2)

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変体仮名の「もと」は草書および(自己流の)くずし文字です。
先日、吹田の街で変体仮名看板をいくつ見つけたか?
なるを(寿司)、志まや印房(はんこ)、たよし(うどん)、万両(そば)、とぎ重金物店(刃物、研物、合カギ )、うを常(魚)の六つでした。もっともこれは、吹田市民環境会議の大木調査のように、一本一本の木に抱きついて計るというマニヤックなものではないので、組織的にやればもっとあるかもしれません。

これと前後して奈良、高山、観音寺でも看板を注意して見ていたのですが、数的にはよく似たものでした。
とくに奈良町にはもっとあると思ったのに意外でした。看板はまずわかることが大切なのでしょう。変体仮名もどきのくねくねした字はおおいのですが、ちゃんと(正字で)読めるようになっているのです。

気のついたことの一つは賑やかな商店街からは消えかかり、むかし的な街に多いこと。
看板やインテリア関係者が変体仮名を扱えなくなっているのかしらん、だとすると、変体仮名看板は町の建設やリノべーション度と関係あるのかもしれない。ニュータウン内のせんちゅうや南千里モールの店にはどれくらい残っているのか、マッピングをやるとおもしろいでしょう。

逆に気になったのは、ローマ字だけの看板がけっこうあることでした。
変体仮名は飲食店に多いのが特徴ですが、英語やイタリア語のまんま、cafe de pontとか madam jujuとか皆さん意味が分かるのかしら、それとも食べ物関係は雰囲気さえ出てればいいのでしょうかねー(さすがにギャル文字はまだ見ないけど)。

ところで、変体仮名は滅び行く運命にあるのでしょうか。
先日のトークで、梅棹さんは日本人は漢字を捨てるべきだと、情報論から主張していました。それはわかるけど、文字には機能だけでなく、遊びやこころに関わる部分も非常に大きいよねー(論戦にはかてなかったけど)。

変体仮名の源は草書と(自己流でも)くずし文字です。孤立化しつつある変体仮名や漢字が老舗の看板や食品に今も強くのこるのは、格式や高級感を感じさせるからだろうと思います。
また漢字には一目瞭然で分からせる記号的な力があることも見逃せません。だから、私たちが筆で漢字を書くという行為を捨てない限り変体仮名は残るのではないでしょうか。
というわけで今ベンキョー中です。

(カンチョー)

コメント

  1. おーぼら より:

    吹田市民環境会議の大木調査は、一本一本の木に抱きついて計るというマニヤックなものです。次回は 日時:06年10月15日(日)9:30~12:00 集合:阪急南千里駅改札口午前9時30分 木に抱きつきたい方・・・行けば…。

  2. みっちゃん より:

    この6つの看板が上がっているJR吹田駅周辺11商店街が、13・14日の金・土曜日に「アジアンフェア」を開催します。13日は午後4時から、14日は12時から午後8時まで。タイ・インドネシア・マレーシアの本場の舞踊や、今年は二胡演奏・ロシア民謡なども加わり豪華なステージになりました。屋台もチヂミ・ラーメン・ギョーザ・インドネシア料理・インドカレー・飲茶・タイ風焼き鳥など美味しそうなお店がいっぱい。出店ではアジアン雑貨・ネパール手工芸など面白そうな小物が見つかりそう。○×クイズ・ビンゴゲームもあり、各商店からの提供品が当たります。ぜひお越しください。たんぽぽ居酒屋でなく たんぽぽ企画で頑張ってます!

  3. 団塊の婆 より:

    変体(変態と変換されてでたよー!)仮名は私は読めないので、いりません。書をなさる方にはとても必要なものでしょうが。文字の本命は情報の伝達。それから見ると、ローマ字の勝ちですよね。でも、文字を文化ととらえるといろいろなものがあってそれこそ多様なことに価値があるのかも。文化的でない私の頭は楷書と、他人が読める程度の崩し文字だけを認めたいですね。看板の調査、おもしろいかも。

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