西高東低の冬型気圧配置になった11月12日(日)午後、京都大学大学院教授阿辻哲次先生の講演会がありました。題して「日本人と漢字」。
ある言語を書くときは、ふつう1種の文字をつかいます。英語やイタリア・フランス語などはラテン文字、ロシア語などはキリル文字、中国は漢字。しかし、日本語は漢字だけではなく、漢字からつくられた表音文字の平仮名と片仮名も(時にはアルファベットさえも)使って表記します。日本人はあたりまえのように思っていますが、実はこのように2種類以上の文字を使い分けているところは韓国と日本ぐらいなのだそうです。
漢字は、表意文字で、字数が多く、画数も多くて習得に困難が伴います。使用人口・面積ともに大きく、文化遺産が多く残されています(漢字で書かれた古典籍は紀元前からあって気が遠くなりそうなほど膨大ですね)。そして、縦書き・横書き自由で、融通無碍。
漢字とはどういう文字かという説明を、順を追ってていねいにしていただきました。
そして、漢字の最大の特徴である、意味を内包しているということは、音声言語の壁をこえ、万人に情報を平等に伝達するユニバーサルな可能性を秘めていると力説・・・おそるべし漢字パワーといったところでしょうか。
恒例のカンチョーとの対談もありました。
阿辻先生の話に、カンチョーはおおいに刺激を受けたようす・・・
来週(19日)は、マヤ文字の第一人者・八杉先生の文字の本質を考える講座、来々週(26日)は、カンチョー講座で「縄文時代に文字はあったか」という話をします、と(えげつない)宣伝をしていました。
阿辻先生に、たくさんのご著書のなかから、おすすめの本をご紹介いただきました。
『漢字のはなし』(岩波ジュニア新書)2003年――漢字の歴史、漢字文化のおもしろさが、わかりやすく書かれています。
『タブーの漢字学』(講談社現代新書)2004年――口に出して言えない漢字の話?自信作だそうです。
(こぼら + 写真はきょうちゃん)
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