御食国(みけつくに)若狭おばま食文化館

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「もうすぐ100万人になります」。開館して約3年半、「入場者は年15万を目標にしてたのですが、それを上回るペースなんです」と若い学芸員がうれしそうに、誇らしげに言う。無料だが、小さな町の博物館としては驚くべき数だ。

なかに入ると、交流広場(インフォメーション)と町屋の座敷(一局いかがと碁・将棋セットがおいてある)。ミュージアムショップは手作り品も交えてただのおみやげ店にならずおもしろい。ビデオ、パソコン機器も充実している。

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展示はそうひろくないが、食文化を中心に、町の歴史、現状を見せる。中心となっているのが奥村彪生さんの料理を再現した蝋細工。日本各地の雑煮、弁当、江戸時代オランダ使節接待の料理、奈良時代の食膳、若狭の鯖料理などがならべてある(たくさんあるので、こまめに展示替えをしている)。
階段を上がると食工芸品のフロア、「二本の棒に刻まれた芸術」と題して世界の箸の陳列のほかに、漆、瓦、紙、瑪瑙などの特産品の紹介もある。と、ここまでは、よくやっている博物館ということになるが、他と決定的にちがうのはすべて体験型にしてあること。

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キッチン・スタジオでは料理が実際につくれる。参加費500円ぐらいで、地方、伝統、健康、外国料理でもなんでも、館所属の専門の栄養士が指導や手助けをしてくれるので大好評、とくに現代社会の大問題「食育」に力が入っている。
無料試食コーナーの窓口からは、日替わりでお総菜類がたべられる。二階にも体験コーナーがある。海側にひろいマリンデッキがあって子どもが駆け回り、なんと足湯があって、小浜湾の景色を見晴らしながらくつろげる。

その上、三階は有料だが、レストランもあるお風呂。そういえばエレベータのよこに、「ゆ」ののれんがあったなー。

このブログで、「初夢はくぶつかん」をやったときの皆さんのアイデアが美事に具現されているのでおどろいた。これも一つのやり方、市民がたくさん来るはずや。しかし風呂とは・・・基本計画つくりの中心にいたのが石毛直道さんだったことを思い出しました。巨大な民博で「食」という、相容れないものをどう見せればいいかと格闘していた人。疲れたら近所のサウナ風呂にいき、そのあと酒を飲んでいた人(よくつきあったものです)。これは石毛さんの妄想を実現させた博物館だと思いました。

(カンチョー)

写真上:カンチョー2007.6.17撮影(ケータイのカメラでも、上手に撮れるようになりました)
写真中:こぼら2005.10.22撮影。なんと、展示場内(うしろに見える屋根は展示物)にイベントのブース(それも複数)が設けられて、人がいっぱい。
写真下:同上。同時に、調理室では講習会。展示場から、やっているようすが見えます。

御食国若狭おばま食文化館公式HP
http://www.city.obama.fukui.jp/mermaid/

本文中にある、入口の「ゆ」の暖簾の写真は、ここで見られます。
http://www.fuku2.co.jp/syokubunka.html
ハクブツカンに「ゆ」の暖簾・・・千里ニュータウン展の生活展示を思い出すわ~。

(こぼら)

コメント

  1. てつ より:

    三方町交換会は 高校1年の時 三方町から 吹田にお迎えした時に 「吹田市子ども会リーダー協議会(通称「リー協)」のメンバーとして 参加しました 夏休みに 北千里の青少年の家(昔はユースホステルだった^_^;)で 2泊3日で行われ 目の前の 北プールに行ったり エキスポランドに行ったり・・楽しい想い出ばかりでした
    写真 どっかにあるはずだけどなぁ~ 探してみます(^^ゞ

  2. きょうちゃん より:

    もうすぐ100万人で・・・・。 気づきました。 博物館は平成4年に創設。 さて、もうすぐ 万人。
    いつもの目覚めのコーヒー・・・。 一杯のコーヒーから・・・まだ惚けてはなさそう。
    目は朝刊 「天声人語」。 ☆杜の都・仙台市が、ケヤキの処遇をめぐって紛糾して・・ 起承転結・・結に近い・・だが50本のケヤキを救う物語は・・・ 秋までには・・・。 >紫陽花の七変化みて、散髪に行き、スッキリ気分でDVDの整理に精を出そう。

  3. Bear より:

    食文化館のことを取り上げていただき、大変ありがたく存じます。 小浜市は、いわゆる北陸ブロックに属しながらも、経済、生活、文化圏は、関西であり、大阪や京都など関西に向けて情報発信していくことは、当市の観光振興や経済活性化、まちづくりを進める上で非常に重要となっています。実際、吹田や豊中の都市住民を対象に、ここ数年続けて、グリーンツーリズム交流を実施していますし、来月7日(土)には、豊中市の消費者センター「くらしかん」で、魚介類の産地直送販売を行う予定です。

  4. アルミ より:

    近いから、カンチョーや石毛先生を拉致して、みんなで見学に行きたいですねー。調べてみたら、石毛先生はあそこの名誉館長でした。

  5. カンチョー より:

    てつさま:三方町はいま若狭町になってます。あの交流会に参加したことがあるんですか、すごいねー。実は、いまもやってて、今年は45周年とか、大大会をやるんだと、はりきってました。ブログへの記事をお願いしたのですが、あっちも、こっちも、なかなか書かんのよ。デジタルデバイドなのか、宣伝に無関心なのか。写真や記録があったら、てつからはじめよー。

  6. おーぼら より:

    6万アクセスは「当選者なし」の可能性が高くなってきましたね。 6月22日は夏至ですね。

  7. もぐら より:

    小浜にあるんですね。今年は、福井の藁の造形作家を名乗る福井の青年にふるさと考古学にきていただく予定です。福井、おそるべし。

  8. okkun より:

    若狭といえば、小学生のころ舞鶴の親戚に連れて行ってもらって、はじめて底まで透き通る海を見て驚いたなあ…底が見えてるのに足がつかない!それまで須磨と琵琶湖のどろろ~んとした水しか見たことなかったので、感激しました。

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