シューゾー&さほこの縄文漫才!

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12月10日、大阪梅田のNHK文化センターで、世にも稀なる縄文漫才の公演がありました。出場した芸人さんは、吹田が誇る?われらがカンチョー(別名:小山修三・国立民族学博物館名誉教授)と、その右手といいますか…誰も見た記憶がない縄文の世界をエモーショナルに描きあげる、千里ニュータウンが生んだイラストレーター安芸早穂子さん。

NHK文化センターだからもちょっとカタイのかと思ったら、「すいはく」でやってるときと全く同じ!観客は幸い怒りだす人もなく、むしろ笑いながら「小山縄文」の世界に連れて行かれたのでした。

小)いやー、昔は縄文言うたらこんなん思い浮かべる人が多かったと思いますが…。
安)なんですかこれ?ギャートルズ?
小)若狭の鳥浜遺跡に立ってまんねんこれ…。
安)うわっ、髪ボサボサですねー。
小)はだしやしね。未開人やな。…これイケメンと思うか?
安)
小)ボクと比較しなくてもいいのよ。
安)………

小)いやーボクも若い頃はハリウッド方面をさまよってまして…チャールトン・ヘストンにオーディションの最終選考で負けて泣く泣く日本に帰ってまいりました。
安)ほんまですか。
小)そこでみんぱくに拾われてアボリジニの研究やるようになりまして…民族学的にアボリジニにアプローチした方法で、あらためて縄文にアプローチしたわけです。
安)青春ですねえ。
小)すると鳥浜遺跡から真っ赤な漆塗りの櫛が出てきた!
安)ハイ!
小)そんな櫛を使う人たちが、こんなボサボサの未開人だったんだろうか?
安)そこで私と出会ったわけです!
小)だいたい服が白いのもおかしいしな…白い服やったら布があったんか?
安)とにかくすごい勢いで、もっとお洒落な人たちやったはずやー言うて熱弁ふるわれたんですわー。私もカンチョー語はほとんどわからなかったんですが…耳輪の重層的な掘り込みを見せられて、これはシンプルな人たちだったはずがないと、それは直感できました。

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小)で、安芸さんの才能を使って絵に再現したいと…。
安)2人でコンビを組んで、「はたらくおじさん」の番組みたいに祇園の髪結いさんに話を聞きに行ったんですよー。
小)そしたら「太夫さんの髪結ってないとこの櫛はさせまへん!」て断言されて…。
安)土偶の頭の形見せたら、お太夫さんの髪と同じどす!と言われてビックリしましたねー。
小)土偶はアート上の造型と言うより、写実だったんじゃないか?そう考えたら服の材質も推理できるようになってきまして。
安)鹿のナメシ皮で作ったボディコンスーツだったと、民族衣装の松本敏子先生に説明していただいたんですねー。
小)そうやって材料を集めながら、新しい縄文人のイメージを推理・再現してしていったわけやけど…あの頃はヒナンゴーゴーでしたなあ…都合のいい部分だけつなぎあわせてるんじゃないかと…。
安)ううっ…(泣)でもセンセーは自由に描かせてくれました…。
小)安芸さんはスピリチュアルなことを描くといいからねー、三内丸山が出てきて、縄文が高度で豊かな時代だったってわかってきて、モヤモヤが晴れて良かった!

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安)こちらにご覧に入れますのは、週刊朝日百科が2003年、16年ぶりに改訂再刊されたときに表紙用に描き直した縄文家族の肖像…1986年に出た初刊本の表紙と比べてみてください。
小)この間にわかってきた成果で、服が描けるようになったんやねー。
安)で、本の中身は?
小)それがねー、16年前に書いた原稿を1行も直す必要がないって言われて…原稿料2回取り損ねましてん。
安)ううっ…(泣)、先見の明がありすぎたばっかりに…。
小)まあまあ、そのかわり表紙が2回描けたからヨカッタやおまへんか?

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安)これは長野県諏訪に伝わる「おんばしら」の祭りを見に行きまして!
小)2人で見に行ったねえ…♪
安)その熱気を縄文の人たちに置き換えて再現してみました!
小)縄文の環状列柱の遺跡から、クリの巨木と、牽引用に巻いたと思われる藤ヅルが出てきたんやねえ。それを立てるのは「おんばしら」の祭りのようなことだったんじゃないか?
安)いやー諏訪のお祭りはスゴかった!7年に一度で、大群衆で、しかも全員酔っ払い!
小)アボリジニの酋長は、どれだけ大きな祭りを行えるかで勢力を示すんですなあ。
安)ははーん…それでセンセーも千里ニュータウン展と万博展を…。
小)死人が出なくてヨカッタヨカッタ…。
こぼら)もう!この漫才つきあいきれませんっ!

(以上大幅に脚色 by okkun)

コメント

  1. okkun より:

    ええっ、パワポで画面出していたのにオカネを払っていたとは…。(@_@)たしかにこの「漫才」は脚色がたっぷり入っていますが(だいたいカンチョー「おまへん」なんて関西弁しゃべりませんよね)、脚色しなくても十分面白かったことは証言いたします。ワタクシはほんのちょっとアクセントをつけただけでございます。

  2. もぐら より:

    いや臨場感あふれてました。okkunさんすごい!楽しみました。どうもありがとう。これにこぼらさんのタイミングばっちしのパワポがついてたんですねぇ。…NHKもアナウンサーや女優をつかって変な縄文の番組をつくらんで、安芸さんとカンチョーで追っていったらもっと深くておもろいのができるのに。

  3. こぼら より:

    okkun脚色では最後に発言していますが、実際はお金を払って受講者をやっていたこぼらです。
    おもしろかったです、ほんとうに漫才。
    ただし、okkunさん書いているセリフは、正確な発言の記録ではありません。わかるでしょ?小)さんのカンチョー語を、そのまま文字に起こしたら何言うてはるのかちんぷんかんぷん。
    でも、ふしぎなことに、okkunさんの「大幅な脚色」がはいっているにもかかわらず、全体は、きわめて正確なのだ。彼の本業ってそういうことかあ、ってどういうことなんだか、とにかく、ごくごうさまでした!

  4. おーぼら より:

    70年万博直前に終了したラジオ大阪の米朝・左京の「題名のない番組」をホウフツとさせる縄文漫才ですね。 録音をききたーーーいっ!!CDにしたら売れまっせ。
    「題名のない番組」ってご存じない方は[URL]でその雰囲気が感じられます。ご参考まで。当時は原子力空母が佐世保港に入港するのに反対する全学連が大暴れしていた時代です。

  5. きょうちゃん より:

    安芸さん。 ごめんね。 息はついているが・・つもり、つもてです。 もう少し、つもているものを払わなければ。 20時48分

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