博物館本格派・S先生のすいはくへの提言

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カンチョーがすいはくの将来をあんじてS先生と話しているのを傍聴しました。
S先生は、東博からミンパクにうつり、放送大学の博物館講座の教材用に、すいはくに取材に来た方です。(あの放映は4年間つづくそうです(こぼら)
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常設展示の部分は、こまめに入れ替えた方がいい。いつも同じというのは、リピーターをつくりません。今の常設展の写真や音声も古いですね。たとえば色あせた写真をかえるだけでも感じが違うはずです。ビデオコーナーもほとんどつかわれてませんね。プログラムが変えられないというのならば、いっそ撤去して、最近やった展示だとかイベントのビデオを流せばいいのです。
(カン:もうやってるよ。
S:え?そうなんですか、いいじゃないの。
カン:でも、市民が帰ってしまったら、撤去された。オレの指導力のなさだなー)

常設展のリニューアル経費がないのならば、リニューアルを視野に入れた特別展をやるという方法もあります。特別展をやってから、そのあとリニューアルをする。現在、特別展にはこれだけの予算をつかっているのだから、じゅうぶんできるはず。たとえば「戦後の吹田」とか、テーマはいろいろあります。春と秋の2回、特別展をやっているが、言っちゃ悪いけれど、そんなに人がはいらないのならば、分散してやらないで、一点豪華主義でやったらどうでしょう。

特別展というのは、もっと手づくりでやった方がいいと思っています。学芸員自身が、自分でレイアウトを描くべきですよ。「モノが語る」のだから、どうやったら語るような並べ方ができるか、それを考えながらやっていく。いちいち業者を入れる必要はありません。パネルぐらいはきれいになるから発注してもいいけれど、ミンパクでもちょっと業者に頼りすぎだと思っています。

千里ニュータウン展とか万博展は「事業委託業務」でやったのですか?それはどうなんだろう、一緒にやっていくのが学芸員の勉強でしょう。
(カンチョー:市民委員会に委託するかたちでした。それで予算枠のバリアーを越えた経費の使い方ができて、成功につながったんです。)

今、日本の博物館は参加型・体験型に移ってきています。古い博物館でもこの流れを無視することはできません。こういったことは、工夫次第で何とかなると思います。やる気の問題です。

わたしは指定管理者制度は早晩ダメになると思っています。博物館や美術館、図書館といった事業にはなじまない。展覧会の評価は、どうしても採算重視になってしまう。たしかにそれは大事なことですが、それだけでいいのかどうか。とくに地方博物館は、誰を対象にした展覧会なのか、ターゲットをはっきりさせて、展示なり図録なりをつくりあげていく必要があります。吹博ならば、市民と周辺市町村あたりが対象でしょう。とすると、市民の評価も入れるべきだと思います。モニター的な「評価委員」を募集して、やってみるといいんじゃないですか。いやー、博物館も結局「人」次第ですね。市民パワーを使って博物館を変えようとしているすいはくのこれからに注目しています。

注:絵は、S先生の肖像ではありません(?)

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