平成19年度美術館等運営研究協議会(テーマ:地域とミュージアム)報告(その2)

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文化庁主催の美術館等運営研究協議会のご報告(その2)です。前回はメイン(であるべき)吹田市博・事例発表についてあまり触れませんでしたので、最初にそれについて簡単にまとめておきます。(って箇条書きですが。)

○以前から小学校3年生の学習(社会科:暮らしの移り変わり)に対応した特別展「むかしのくらしと学校」を毎年12~2月頃に開催、体験コーナーではボランティア(市民)が活躍していた。

○市民参画が市政全体で重視される中で博物館における参加体験型事業の展開が必須になったことと、従来の展覧会がややもすると学芸員のひとり相撲に陥りがちだったことへの反省から、市民ニーズの反映した展覧会の企画立案が実現することになった。→つまり、平成18年度春期特別陳列「千里ニュータウン展」における市民委員の活躍に結びつくわけです。

○市広報誌や館HPで委員を公募、最終的に44人のバラエティに富んだ人材が集う。大まかに分けると、まちづくり派と博物館をどうにかしよう派、それに少々の学究派。

○NT展の場合、テーマは予め博物館が設定。市民委員は展示ストーリーを組み立てる(ここが一番楽しいところ)展示部会・関連イベントを仕込む催事部会(何せ、カンチョーはあれだから←○注ほめてます)・情報発信する(「開かれた博物館」の心臓部)広報部会という組織を組み立てて内容をつくっていった。

○市民委員=いまもNTに暮らす人たち→NTへの思い入れたっぷり・思い出いっぱいなので、議論は熱かった(会合の全体を把握できていないほど)が、いかんせん展示経験0の(人生の先輩ながら)初心者集団なので、具体的な展示品については学芸員がバックアップ。

○で、実際の展示物は、マスタープラン等の公(役所など)がつくった資料、委員の手作り模型(すてき!)、それに、市民の持ち込み資料になった。←例の「成長する展示」で新規資料がどんどん増えていくアレです。

ここからが肝心=学芸員さん視点での指摘事項です。
○展示未経験な委員さんたち。パネルや写真は格好がつくのだけれど、やっぱり「もの」の存在感には敵わない。
○市民視点の展覧会は実施できたけれど、その評価は果たして・・・? 市民委員さんは客入りが多かったことで得てして成功だと満足しがち。来場者数以外の指標(例えば、中身が充実してたとか、新発見があったとか)について博物館と市民双方が共有できる価値観がまだ見つかっていない。

(ミュージアムひだ M)
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気をもたせるようですが、あまりにナガーイので、ひとやすみしましょう・・・・

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