「進化する」展示で、市民が持ち込む竹製品のなかに、トウ製品が混じっていることに気がつきます。トウはプラスチックのように、つるつるした表面はタケとよくにているのですが、ヤシ科植物で、蔓性のトウ属、キリンケツ属の総称です。「ラタン」とよばれ、夏用の家具類、カゴ、マット、精巧な細工物などが世界中で愛好されています。そういえば、エマニュエル夫人が座っていたような椅子のミニチュアがおみやげ物コーナーにありますね。トウは竹よりも材が緻密で軽く、柔軟性にとみ、強く耐久力があり、そのため結束材として、日本でも古くから弓の柄巻き(重藤弓)などにつかわれていました。熱帯性の(マレーシアが中心)植物なので日本では育たずわざわざ輸入していたのです。今は、貨幣価値の差によって、比較的安く手に入りますが、むかしはきっと高価なものだったのでしょう。
(カンチョー)
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