世界をかけるビール: まずビール、そして白酒! お酒の飲み方、2段階論

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たとえば居酒屋に行くと、「とりあえず,ビール!」とよく聞こえてきます。明らかに「ぷはっ」とやりたそうにしていれば,「生中でよろしいですね?」とお店の方から、たずねてくれます。すでに、当たり前の光景になってきた感があります。しかし,考えてみれば10数年前はまだそんなことはなかったのではないでしょうか?もっと前は,「生中」より瓶ビールだったはずです。「とりあえず」は,まずはビールで「ぷはっ」とやり,落ち着いてから本腰を入れる、つまり、その次があるわけで,おおかた清酒か焼酎が来るはずです。これを、お酒の飲み方のひとつの「型」と理解すると面白くなります。

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中国では,清酒や焼酎にあたるのが白酒です。高粱や粟などの蒸留酒で,ふつうはアルコール度数が低くても40度はあり強烈です。でも、穀物の甘い香りが漂うお酒です。もともとは,どこにでも白酒があり,晩酌にも白酒を飲んでいたようです。ところが、その中国でも、現在はまずビールを飲むことが普通のようです。中国の方とご一緒すると、まずはビールで「干杯!」。しばらくビールで挨拶の一気飲みがあり、そして「ドンっ」と白酒の瓶が登場し、さらにまた「干杯!」が続きます。

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この2段階は、いったい何なのでしょうか?2種類以上のお酒を飲むのは欧米でもあります。そこで思いつくことは、日本、中国そして韓国もそうですが、共通することは「最初はビール」という事実です。ビールで乾杯をして、それぞれの国の伝統的なお酒を飲むという順番です。この理由について、今探っている最中ですが、ビールが外来「酒」であることも興味湧きます。というのは、確かにビールで乾杯をしますが、本当に大事な席や大切なちぎりを結ぶときには、私たちならば「清酒」、中国ならば「白酒」で酌み交わす習慣を確固と守っていることに気づくからです。これを裏返して読み解くと、私たちにとってのビールの存在が見えてくるかもしれません。(makiba)

写真(makiba氏撮影)ビールのある中国料理を囲む風景上:青島ビール、中:山西省にて、下:浙江省にて
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すいはくでは、makibaさんが所属されている総合地球環境研究所と共催で
シンポジウムを開催します!!!

11月15日(土曜)午後1時30分~4時
シンポジウム
「とりあえずビール! ビールをめぐる世界の景観」
コーディネーター : 内山純蔵氏(総合地球環境学研究所准教授)
「ヨーロッパ」 ばん澤歩氏(大阪大学准教授)
(*ばんは方へんに鳥)
「アメリカ」 ダニエル・ロング氏(首都大学東京准教授)
「中 国」 槙林啓介氏 (総合地球環境学研究所研究員)

会場 博物館講座室 先着120名
申し込み/不要 ・ おみやげ付

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