「吹田方式」をICUで講義

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去る6月2日(金)15:10~19:00、東京は三鷹にある国際基督教大学(ICU)の博物館学I(正規の授業:内容は博物館学概論)で、吹田市立博物館のカンチョー小山修三の講義がありました。

今回の吹田市立博物館の試みについて、思いの丈を存分に語ってきたようですので、ご参考までにレジュメを掲載いたします。なお、この講義のダイジェストを、26日(月)18:30~「居酒屋たんぽぽでお話しする予定ですので、興味のある方は、どうぞおこしください。 (by ぼら)

第一講 危機に立つ日本の博物館
1.相次ぐ廃館と閉館
その原因:バブル崩壊と低金利:民博、歴博の光と陰ー金をかけた展示
行政はもう支えきれない:ボランティア求む(オリンピック、災害)

2.国立博物館の独法化(大学も)
生き残りをかけて(魅力的な企画)

3.地方(公立)博物館:指定管理者制度への動き
●(実例報告)飛騨世界文化センター
指定管理者制度への移行
独立採算は可能か 80%が最初の目安?/教育についての寺田寅彦の意見

4.日本の博物館の問題点:創設の動機
万国博博覧会:成果を博物館に、岩倉使節団が学んだこと
宝物との相克:帝室博物館案の浮上
物まね、「お上」の発想

5.学芸員とは:職務の二面性
宝物をまもる:役人的性格:権威にすがる
宝物を研究する:研究的性格:シロウトなんかにわからない?
どっちになりたい?

第二講 市民がつくる博物館
1.アメリカ、オーストラリアの博物館
開拓、地理、歴史、土俗/郷土愛とプライド/アイデンティティ探し

2.優遇される税制とボランティア
●(実例報告)吹田市立博物館
a.市民の反乱:対観客費用効果(1人2万円以上?)/市議会のクレーム/100人委員会の勧告
b.千里ニュータウン展市民委員会/ボランティアとの違い
他地方の場合ケース:青森、三内丸山応援隊、鳥浜貝塚どきどきクラブ、東京都埋蔵文化財、芦屋市
c.現システムの問題点
役所のタテ割システム
硬直した予算執行

第三講 デジタル時代の博物館
(実例報告)吹田方式
a.ホームページとブログ/公的と私的の差
b.デジタル・ディバイド/紙とモニター/年齢ではない
c.展示の思想と手法
歴史の考え方/文化人類学からみた/進化する展示ー結果よりプロセスを!
d.今という時代の問題点/団塊世代の終焉/20代の小・中学教員/昭和は大昔

結論
市民は博物館に何を求めていたのか
考古歴史博物館から総合博物館へ

(by カンチョー)

 

コメント

  1. 居酒屋たんぽぽ より:

    こりゃ~あ大変。大先生を迎えての、特別居酒屋です。普段から格式高い居酒屋が、更にグレードアップ(?)。メニューも今から、考えておきます。吹田市朝日町14-2 大松ビル2階(JR吹田駅より徒歩3分)です。錦通り 100円ショップ「クリスタル」2階 お待ちしてます!。

  2. てつ より:

    ジャンルの「風土記の丘」がなかなかアップされないので ここに書いちゃいます(^_^; 今 そう たった今 引き出しの奧から 吹田市政50周年「夢のせて はばたけ!吹田50th」吹田八景の絵はがきが発掘されました しかし 何度見ても どのあたりが 博物館なのか わからないんです(^_^; あの航空写真には全く外れたとこに建てたんですか?(^^ゞ

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