吹田市立博物館への提言

こんな展示をやればおもしろいという提案がよせられました。このブログではこれまで、市民にひらかれた博物館にするため、「初夢はくぶつかん」企画をはじめ皆さまの意見を聞いてきました。もちろん博物館は公的なものですから、「時間がかかるものや、全くできないもの」があります。それでも、スグやれるものから、ブットンダ意見まで、なんでもいい、それが博物館の活性化につながると思います。
これを機会に「博物館への提言」をテーマの一つにたてることにします。すいはくを「いきいきとした知的遊園地」にしたい、それが私の願いです。
(カンチョー)

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■【提言の内容】
吹田市の団地群を博物館の展示に取り上げることを提言いたします。
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高度成長期に建てられた団地の建て替えが全国で進む現在、吹田市の団地群にはここにしか存在しない貴重な建物や景観が数多く残っており、そのほとんどが現在においても住民によって利用されているという稀有な状況にあります。
特に公団による4つの団地…千里山団地、青山台団地、津雲台団地、竹見台団地は日本を代表する名団地として全国の団地愛好家の注目の的となっており、必ず訪れるべき聖地とされています。
わたしたちプロジェクトDは吹田市が高度成長期の住宅遺産として誇るべき団地群を吹田市立博物館の展示に取り上げることを提言いたします。このことは、全国で団地の解体が進む中、吹田市のみならず日本の近代生活史を後世伝えるものとして重要な役割を果たすでしょう。それは千里ニュータウンを有する吹田市と吹田市立博物館にしかできないこととプロジェクトDは考えます。なにとぞご一考のほどよろしくお願いいたします。

【提言の背景】
(1)団地の再評価がはじまっています
映画「ALWAYS三丁目の夕日」のヒットなど高度成長期の再評価が始まっています。団地についても同様で、関係する書籍が数々と出版されています。また、松戸市立博物館が館内に団地を一部再現したり、ひばりが丘団地では実際建っている住棟を展示室に利活用する動きがあります。
(2)吹田市では貴重な団地群の建て替えが進められています
吹田市の団地群にはここにしか存在しない建物や景観が数多く残っていますが、その多くが耐震、老朽化の問題などで建て替えの工事および計画が進められており、数十年のうちに団地の貴重な光景が一変する可能性があります。
(3)失われていく団地の価値を伝える機会は限られています
悲しいことに一般に団地の歴史的価値や建築的価値は知られていません。一部の愛好家や建築業界の間ではさまざまな活動が行われていますが建て替えが次々と進むなかで、失われる前にもう一度その価値を市民のみならず広く知らしめる機会は決して多くありません。

【提言の目的】
貴重な建物と環境を有する吹田市の団地群を市のオンリーワンの歴史遺産と捉え、吹田市立博物館がその魅力を後世に伝える活動をすること。

【展示に向けての具体的な行動案】
1:団地の竣工当時から現代までの記録の収集、整理
-特に築数十年たって住みこなされた現在の風景の記録は重要。アマチュアカメラマンや団地愛好家、住民たちと組んで写真や当時から残る什器やディテールなど団地の風景や暮らしぶりを伝える記録を展示に向けて収集、整理する。
2:団地をテーマにした企画展の開催
-1で収集した資料を展示。取り壊された団地のインテリアを収集した什器などを使って再現。合わせて団地内の見学ツアーも開催する。
3:団地をテーマにした常設展示の充実
-2をもとに常設展示の内容を充実させる。博物館内にスペースが取れないのであれば、団地住戸の空き室を利用した展示も考えられる。


吉永建築デザインスタジオ
吉永健一
Ken-ichi Yoshinaga

コメント

  1. コスモス より:

    家族に、どんな展示なら見に行く?とききました。吹田の産業などに関する展示、「正露丸展」「小僧寿し展」「自動改札展」「千里ニュータウンⅡ展(団地の歴史)」「国鉄展」など、いろいろ言ってます。展示室に入ったら正露丸の匂いがしてきた、っていうのはいいんじゃないか、だそうです。

  2. okkun より:

    郊外の典型的な住宅都市である吹田市の博物館で今このテーマをやらなかったら、後世「なにをやってたの?」と言われることでしょう。いま、建替問題はすごく重いことになっていて、住民、専門家、マニアの視点はまったく違うので無邪気に扱えるテーマではないですが、だからと言って「避けて通る」ことはないんじゃないかと思います。

  3. てつ より:

    立て替え問題なら
    ど真ん中 このまま 北海道に移住したら
    もう 教えてあげないよ?(-.-;)y-゜゜

  4. okkun より:

    だれが移住するの?

  5. arumi より:

    てつがかい?

  6. てつ より:

    かもσ(^^)

  7. てつ より:

    嘘(^_^;

  8. okkun より:

    話題を本筋に戻しますが、もし団地展をやるのなら「なつかしの…」というキャッチフレーズをつけることは宣伝の作戦としてはいいかもしれませんが、願わくば未来指向の部分もしっかりやってほしいです。過去を見るだけの博物館展示は二流。過去から未来を見てこそ本当の博物館でしょう。それとUR(公団)だけじゃなく、府営や公社も取りあげてほしいですね。

  9. てつ より:

    大阪府住宅供給公社なら
    ま・か・せ・な・さ・い

    42年住んだはず(^_^;
    まず「ダスターシュート」の話からいきますか?

    やっと あかいさんとこ行きました
    3時で満席 17名 すげぇ ふつうの喫茶なら
    繁昌店 こら 津雲台センターでもいいかも
    無料Pも あるし(^_^;

  10. カンチョー より:

    okkunへ:「なつかしの未来へ」というのはどうですか。

  11. okkun より:

    人寄せのキャッチフレーズとしては、いいと思います。「レトロ・フューチャー」っていうんですよね。でもある「団地サイト」をやってる方が新聞に書いてたのですが、郷愁だけで団地を語ってほしくないと。「昭和ブーム」と一緒にされるのはフクザツな気分だと。団地の生活スタイルの合理性、それは今でもぜんぜん古くないし、最新のマンションだってベースは団地スタイルにあるんだから…といったようなことかと思います。天満橋の「EXPO CAFE」は、たんなるEXPO70の回顧カフェになってないところが若い人にもアピールしてるポイントで、しかし郷愁アプローチもうまく使っていて、そこはすごく考えてるなあといつも思います。

  12. okkun より:

    「吹田の団地展」って言うなら、ニュータウンより前の千里山も落とせないですが、ニュータウンより後の山田西とか五月が丘の特徴を見るのも面白いでしょう。「ニュータウンの反省点は全部生かした」と住民の方は言っていて、エレベーターがつくなど進化した点も大きいのですが、水回りが住戸の中央に来るなど、自然換気上は後退した点もあります。土地が高くなったために、住戸の奥行きを延ばして、同じ面積に住戸をたくさん入れる設計に変わっているのです。そういった変化を追っていくと、吹田の現代史が浮かび上がってくるはずです。

  13. てつ より:

    やはり後から出来た山田や五月が丘と比べ
    千里ニュータウンは 格段に緑が多いと思います

    先日の吹田産業フェアのメイシアター屋上の
    国際屋台で出会った方は 千里ニュータウンの保育園に
    長年勤められてて こんな緑の多いところは
    都会では珍しいと 津雲台をほめていただきました(^^)

    エキスポカフェ 回顧担当「てつ」(^_^)b

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