イノシシが・・・

現在の日本の動物相(Fauna)は8000年前頃にできあがったようです。その前の氷河期は草原的な環境で、ナウマンゾウ、オオツノジカなどが徘徊していましたが、気候の温暖化と海面上昇によって日本が列島となった結果、超大型獣は絶滅し、大型のイノシシ、シカ、クマ、カモシカ、中型のオオカミ、キツネ、タヌキ、サル、そして小型のネズミ、ウサギなどがのこりました。これらは、地域差や高度差によって微妙な違いを見せながらも、西の照葉樹林帯、東の落葉樹林帯という環境の日本列島に共通してみられるものです。

このうち、イノシシとシカは草原と森林の境界線を好む動物なので、人間と生息域が重なり縄文時代から盛んに利用されてきました。貝塚から最も多く出るのがこの2つで、肉を食べ、着物をつくり、道具類、アクセサリー、呪具など、全身を無駄なく使っていたことがわかります。弥生時代の銅鐸にも狩猟図があります*。時に、田畑を荒らす害獣でもありましたが、基本的には益獣で、その伝統はいまもボタン鍋とか熊胆(クマノイ)などに保たれています。

今回は奥山と里山の獣の骨格を展示することにしました。中央部にはイノシシの全身骨格をおきます。これまでも、すいはくの講演会などで協力していただいた地球研の内山準教授の研究室に押しかけ骨格標本をお借りしました。内山さんの専門は動物考古学で、日頃は何百とある標本を観察、出土した骨が持ち込まれたとき、その破片が動物に由来するかを確定するのです。

画像吹田市とその近辺の都市化が進むにつれて、クマ、シカ、イノシシなどの大型獣の姿を消したようです。しかし、図録用に集めていたら、山田川にイノシシがうろついている写真がでてきたのでびっくりしました。箕面のサルは有名ですし、クマやシカはまだ北摂の山にはいるようです。

(カンチョー)

コメント

  1. きょうちゃん より:

    吹田市には、亥子谷という地名があります。
    ついこの間、国立循環器病センター(北千里)南の市立北体育館前で・・・排水管の埋設工事 地下20m・・

    イノボがいたから、「亥子谷」というお話をお聞きしました。

    そういえば、吹田の地名 いや 全国 結構 自然にちなんだ名前が多いのでは?。

    調べ始めると・・・・。

  2. てつ より:

    たしかに 亥子谷は いのししが居たからかも
    しれませんね 居てもおかしくないかな?(^-^)

  3. ゆう より:

    こんにちは、山田川でいのししを撮影されたのは
    どのあたりで撮影されましたか。

    亥子谷は現在では住宅地に変わってしまいましたね。

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