今年のすいはく

画像年頭にあたって一言ご挨拶申し上げます。

国や地方公共団体の財政逼迫ぶりがつたえられていますが、その影響はまず文化事業に及んできます。博物館にはそれがすばやく、直接およびます。昨年のすいはくは、学芸員が3名欠けるという苦しい状態においこまれましたが、粘りづよい交渉の結果、すでに1人の専門職の採用がきまり、もう1人(非常勤)も4月までには決まるはずです。そういう状態で、昨年はやりくりの苦しい運営でしたが、明るい兆しがみえてきました。

すいはくでは、2006年の千里ニュータウン展、2007年の07EXPO70展から、企画・運営に市民が参画する事で大きく業績を伸ばしました。昨夏の「吹田の自然と環境展」では、久しぶりに特別展市民委員会がつくられました。そこでは、予算面での厳しい、「仕分け」に似た経費節約がおこなわれ、まだまだ、(市民の目から見れば)ムダや惰性に流れていたことを思い知らされました。展示に関しても、新しいアイデアや方法が持ち込まれ実行されました。とくに、講座やイベントが充実していたと思います。これらはすべて無償のボランティアによるものです。これからの博物館は市民の協力なしでは立ち行かなくなることは、吹田だけではなく、世界的なながれだと思います。

広報活動はHPや市民ブログが充実して、情報発信が全国的におこなわれています。博物館の周辺も、紫金山遊歩道、田畑や池のあるゾーンの整備、吉志部神社の復興、レストランができ、SAにはホテルもつくられるということで、ようやく設備がととのってきました。そうなればなるほど、内容が充実し、誰もが楽しめる博物館を作る責任を感じます。

まだ公式ではないのですが、ちょっとフライイングして、今進められている展示計画について述べておきましょう。
現在おこなわれている「むかしのくらしと学校展」は吹田の小学生3年生が団体でやってくる本館自慢の展示ですが、ピークは2月~3月時はじめ、4月3日まで続きます。

3月10日からみんぱくで始まる「ウメサオタダオ展」とあわせ、その協力を得て、3月19日から梅棹さんと千里ニュータウン、万博、吹田市、すいはくとのかかわりをしめす「写真展」をロビーでおこないます(無料)。現在、写真類を集めているところですが、お持ちの方があれば、是非お知らせください。
これに伴い、3月なか頃からは、土・日に4回にわたって、みんぱくの須藤館長(かつて千里丘に下宿していたそうです)、大阪人間科学大の片寄教授(梅棹サロンに入りびたり、アフリカへの道を開いてもらった。その著書が映画「ブワナトシの歌」になった)、カンチョー(『梅棹忠夫 語る』を書いたので)など日程調整中です。

そして、4月29日からは「大阪万博と上海万博(仮題)」展、夏休みには「吹田の環境(仮題)」展、9月には「さわる-五感の挑戦」展を計画しています。これらは長くなりますので、また、あらためて。

本年もよろしくお願いいたします。

(カンチョー)

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