リモセン学会@弘前大学 11/10~11

(社)日本リモートセンシング学会第51回学術講演会で、11日10:35~12:00 宇宙・人文科学特別セッション 

司会 福田徹(JAXA)
発表
「新領域としての「宇宙人文学」の提案」
 中野不二男(JAXA)・木部勢至朗(JAXA)・坂田公男(IHI)
「松島湾岸における縄文遺跡と震災の関係」
 内山純蔵(地球研 准教授) 
「神話をエイロスで分析する」
 小山修三(地球研 客員教授、吹田市立博物館)
パネルディスカッションと質疑応答:福田、中野、内山、小山

画像中野さんは人工衛星エイロスのリモート・センシングを利用して、考古学遺跡の原地形復の復元、地下にある遺構の発見などができる可能性を、いくつかの例を挙げて示し、さらに視野を広げれば、それぞれの学界だけでなく、リモートセンシング学界でも新しい領域が開けるはずという問題提起をしました。

内山さんは、グーグルマップ、GISにエイロスのデータを使い、3・11震災の津波被害地である、松島湾と仙台平野の考古学遺跡を精査。その結果縄文遺跡のおおくは被害を免れているのに対し、弥生遺跡はほとんどが冠水していることを見つけた。それは、狩猟採集と水田稲作という両者の生業形態の違いに基づくとした。

わたしはご存知、「流しソーメン」あるいは、新撰姓氏録にある有馬氏の神話をとりあげました。7世紀に吹田の垂水神社の水を難波京までどうして送ったのかを、中野さんの50cmでの標高の分析結果を使い自然流路を探ったもの。結果は直線ではなく、弧状に大回り、その線にそって同時代の集落遺跡が分布することをしめしました。高樋が作られたかどうかは別として、本格的な上下水道がつくられなかったために難波京が短命であったのではないかとのべました。

パネルセッションには100人以上が参加、質疑応答も盛んでした。理系の人々にも、古代史に対する夢をもっている人が結構多いと思いました。

(カンチョー)

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