博物館見聞録: 入館料無料の博物館

下関市立考古博物館に行って驚いたのは「入館料無料」という立て看板が入り口に堂々と張り出してあったことだ。

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これは、実はそれほど驚くことではなくて、博物館法には(例外を除けは)無料と明記してある。しかし、習慣として、たいていの県立、市立の博物館はたとえ100円でも200円でも入館料を取っているのが現実なのである。

画像かって、役人たちが、「なぜ無料にならないか」の論議をしているのを聞いたことがある。「一日中館にいる人ばかりになるんじゃないか」、「館内が汚れ、資料が壊されたり、盗まれたりするんじゃないか」とか、あらぬ心配がさきにたって、説得力のある言葉にであわなかった。無料にすれば収入がなくなるという論にも、理不尽なところがあって、たいていの博物館は展示や資料整備、雇用ににかかるぼう大な費用に比べると入館料の占める% は目を疑うほど低いのである。

わたしは、その費用は、極論すれば、市民のプライドの問題であり、義務教育や福祉などと同じレベルのものだと考えている。ただし、いま国会その他で取り上げられているように、雇用者数が多すぎる、展示にインパクトがない、など、冗費を切ることは、博物館員が正しく論理的に議論すべきだと思っている。

 
北海道や東北が縄文、に対し、九州~近畿は弥生のホットスポットであることは魏志倭人伝に書かれているとおりである。下関市立考古博物館は綾羅木郷遺跡の上にあり、弥生前期からの大集落遺跡である。また、近くには300体以上の人骨が発掘された土井ヶ浜遺跡がある。これは、1953年か ら5年にわたる総合調査の結果から、金関丈夫博士が朝鮮半島から人々がやってきて弥生文化をつくったと報告した有名な遺跡で、ここには人類学ミュージアムがつくられている(入館料は必要)。

下関市立考古博物館はすっきりとしたたずまいでいい感じだった。天気はよかったが、まだ春は早く、人影は少なかった。遺跡のある場所は現状では交通不便なところが多い。「人集めがたいへんでしょう」と聞いたら、「子供たちがたくさん来てくれて、楽しめるよう努力しています」、と答えた館員のことばに、期待したいと思った。

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(カンチョー)

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    「子供たちがたくさん来てくれて、楽しめるよう努力しています」って発言のできる人々っていいなぁ~
    私なんか、「子供たちがたくさん来てくれるように、子供たちが楽しめるようにしてください」と言うだけで、どりょくしていないもんなぁ。

  2. てつ より:

    2011年度夏季展示意見交換会の案内ですが
    3月28日は水曜日です それとも31日の土曜日ですか??

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