放射能被害地をみる(1) -国破れて山河在り?

磐越自動車道を船引三春でおり、国道288を東へ向かう。福島原発のある浪江町まにどこまで近づけるだろうか。田村市都路町常葉区で道路が封鎖されていた。ちょうど20kmの地点。

引き返して常葉行政局に行く。玄関のドアに最新の放射能線モニタリングの結果が手書きではりだしてあった。一般事務は二人だけでガランとしていたが、建設課だけ人が多く緊急会議をひらいていた。町の建物にはあまり地震による被害はみられない。店はほとんど閉まっているが、緊急時避難準備地域なので最低限の食品日用品は必要らしい。ときにみかける通行人は老人ばかりで、子供の姿はまったくない。トラック、行政バス、パトカーがゆっくり走る。

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なにより道路沿いにみた景色がすさまじかった。この時期、あおあおとしたイネがあるはずなのに、セイタカアワダチソウの水田、さらに西に離れると、植え付けはしたが、あきらめたためか、ヒエがはびこる水田。

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80km近くになるとよく手入れされた水田がひろがるが、放射線量次第ではどうなるか。さらにこれを考えると、茨城、千葉、東京、神奈川、そして静岡まであぶない。ことによっては、水田はすべて放棄され、この地域のように雑草地になるかもしれない。

杜甫は、国破れて山河在りと唱った。国家なんか滅んでも、ふるさとの自然があればなんとかなるという意味だろう。しかし、クニがやぶれてしまってはどうなるというのだ。

(カンチョー)

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