園芸コーナーにて

こんどの「吹田市の自然物語」展示で、ツメがもう一つあまいなーとおもっているのが特展場入って左側ケース奥(展示プラン図では右上)「現代の問題」です。

展示としては、侵略的生物に絞るとおもしろいのですが、ほかに環境を大きく変えた肥料、除草剤、殺虫剤のことがある。後期高齢者から団塊の世代にかけての人たちには第二次大戦後のDDTや食糧難の時代の記憶が強くのこっています。とくに古い方の人はDDTを列になって浴びせられた印象が強烈に残っています。しかし、これがノミ、シラミを退治し、伝染病の予防に絶大な威力を発揮したことも事実でした。ところがその頃、本家アメリカではDDTが環境を殺してしまうというL.カーソンの「沈黙の春」(1962)によって告発されます。学会など一部ではそれに鋭敏に反応した動きも起こるのですが、現世利益優先の社会は反応がズレ、遅れてしまう。いわば、今日飢え死するのか、来年中毒死するのか、どちらを選ぶのかということでしょう。

もう1つ、現代科学に対する信仰が、わたしたちのなかでいまも衰えていないフシがある。それは食糧を増産して人口をささえた日本農業に直にあらわれています。農薬なくして、増産はなりたたなかったのです。ところが、今は、食糧が輸入によって、供給可能な状態になってしまった、自給率40%(カロリーベース)という現状を見ればあきらかです。とくに、都市化が進んだ吹田では農業の重要性が下落しています。そのため、知識や技術は個人の庭や家庭菜園にうつされているようです。

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というわけで、日曜大工センターに行ってきました。園芸は充実して、庭師センターといっていいくらい。目立ったのは、道具類のほかに、殺虫剤のコーナーでした。アリ、青虫、ハチ・・・。虫きらいという気持ちは分かりますが。成分を見るとスミチオンとかアセフェート(メタミドフォスのもと)、残留性が少ないと書いてありますが、基本的にはDDTと変わらない。肥料類も、堆肥、落ち葉など自然素材のものが目立ちますが、やっぱり有機リン系も。

私達はもう農薬なしでは暮らせなくなっているのではないか、それにしても、ハエ、カのヤツらはしぶとく襲ってくる、農薬に適応したヤツらが生き残っているのではないか。都市の生態系を考えると、ずいぶん変わった構成が出現しているようだ、と思いました。

(カンチョー)

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