故米山俊直先生(京都大学名誉教授、元大手前大学学長、文化人類学)が夢にあらわれた。顔をつけるように至近距離で話をしていたら、目が覚めてしまった。夢のなかには畏友のKK氏やHK氏らがいて、貴人とおぼしき高貴な方がたもおられた。何やら御進講のような、密談のような、得体のしれない情景であった。
米山先生は行基展の映像で流れている。大手前大学の放送班が取り組んだ猪名川流域の歴史と文化に関する映像番組に登場しているのだ。行基の開創とつたえられる昆陽寺や昆陽池についても紹介があり、行基展にはふさわしい内容となっている。なぜなら米山先生は学生に地域の文化をフィールドワークによってしらべるようすすめ、みずからも調査の先頭にたっているからだ。
わたしはいまマックス・プランク社会人類学研究所の招聘でドイツに来ている。行基展のスタート・ダッシュには立ち会ったが、その勢いを維持しているかどうか、どこかで気にしている。つまり深層心理に沈殿している。それが夢となってときどき現れるのかもしれない。深層心理の開祖、フロイトの夢の解釈が適用できそうだ。
(マックス・プランク社会人類学研究所にて)
ところで、行基も夢に現れた。没後500年近くもたって、自分の墓を掘るように僧寂滅にしきりにうながしたという。実際、そこを掘ってみたら、遺骨(舎利)が舎利容器に入っているのが発見された。それは再埋納されたが、江戸時代、その舎利容器の断片がみつかり、地元の人によって保管されていた。今回の行基展ではその舎利や墓誌が彫られた断片が展示されている。行基にかかわる重要な文化財だ。
夢は心理現象であると同時に文化現象でもある。ゆめゆめ、わすれることなかれ、とメーデーのイブにあらわれたのかもしれない。休んでいる場合ではないぞ、と。(アルプスの少年)
コメント
そうです。早々に吹博にお帰り、と行基さまがおっしゃっているのです!
あー~悩ましいことが待っていますよ。
英気をたっぷりとやしなってお帰り下さい。
老いたウエルテルの悩みでしょうか。