講演会「空気中に浮かんでいる有害な小さな粒」

8月3日午後2時から講座室では
神戸大学名誉教授の田結庄良昭(タイノショウ ヨシアキ)さんの
講演会「空気中に浮かんでいる有害な小さな粒」がありました。

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 講演の内容
1.大気汚染原因物質(大気中に浮かんでいる微小粒子:大きさ10µm以下の粒子)の電子顕微鏡写真をふんだんに見せて頂きました。
2.大気中に浮かんでいる粒子(大きさ10µm以下)の種類
 ① 自然に由来する粒子:海塩粒子、土の粒子、花粉など

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② 人工物:車のタイヤの破片、工場から出る鉄球、ディーゼル車から出るスス、アスファルト、
   ブレーキダスト、鉄球、石炭の灰、イオウの粒(大気中で化学反応によってできる)など

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3.PM2.5とは?
 ① 大気中に浮かんでいる粒子(大きさ10µm以下)のうち、大きさが2.5μm以下の細かいもの。
   人間の肺の奥、器官などに入り込んで溜まるために、喘息や気管支炎などの原因となります。

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② 黄砂が飛んでいない時期の日本では、PM2.5の多くがディーゼル車の排気微粒子(スス)です。
   黄砂が飛んでいないときでも、交通量の多い道路では、その環境基準値を超えています。
 ③ ディーゼル車の排気微粒子(スス)の形態:大きさが0.1µm以下の細かい粒が鎖状につながっています。
④ ディーゼル車の排気微粒子(スス)の化学組成:多量の炭素にイオウ・鉛などが少量入っています。
⑤ 春の黄砂飛来時には、黄砂にくっついてPM2.5が、日本に飛んできます。しかし、黄砂にくっついてやって来るPM2.5の量は3割~4割で、日本国内で生成されるPM2.5の量は6割~7割に達します。

4.道路脇粉塵(道路堆積物)
① 車道と歩道の境界付近にたまっているやや黒色の砂状の塵のことです。車の交通量の多いところや工場付近で多くなります。
 ② 道路粉塵には、鉄、亜鉛、ニッケル、クロム、鉛、銅など有害な元素が多く含まれています。これらは、自動車や工場に由来するものです。

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  ◇かつての神戸鷹取の鉄道車両基地では、鉛・ニッケル・クロム・鉄・銅が多かった。岸辺周辺もおそらく同じであっただろう。
  ◇大型車がたくさん通るところでは、イオウ・亜鉛が多い。これはタイヤダスト(タイヤに弾性をつけるためにイオウ・亜鉛を混ぜる)が原因です。

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③ また、これらは、車走行や風で巻き上げられ、大気中に浮かび、川にも流れ込みます。人間にも影響を与えます。
5.その他:次の問題にも触れられました。
 ① 米のカドミュウム汚染問題
 ② 有機塩素系溶剤による地質汚染(地下水汚染、地層汚染問題)

夏季展プログラムはこちらから

(T.HAYASHI  団塊の婆  おーぼら)

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