2月13日、時ならず、すいはくに外国からの客がやってきました。
ミンパクのJICAの博物館プログラムの研修生たちで、今回はシリア、ヨルダン、イラン、エジプト、パレスチナ、トルコなどあのキナ臭い中近東から12人という多数の方。引率はわたしの同僚だったM名誉教授、定年後、ヨルダンで博物館建設に身を挺してきた方。
このプログラムは、アジア、アフリカ、南アメリカなどの博物館を支援するためのものですが、ミンパクは大きすぎてターゲットがしぼりにくいので、近くにあり、小回りのきく「すいはく」を格好のラボとしてこれまでもよく利用しています。
今回は、ちょうど、「むかしの暮らしと学校」の小学校の団体とぶつかって見学の様子を観察できたので大変ためになったと感激したそうです。
そこで、15:45~約1時間、カンチョーと質疑応答および懇談をしたい、というのでひっぱりだされました。まず、彼らは博物館と学校教育のあり方に大きな興味を持ったようです。とくにK先生の「火の歴史」の講義は、子どもたちがあれほど整然と、興味をもって聞いていたのはどうして?その秘密は?見学の組織法は?我が国でこれをやるにはどうすればいいかのアドバイスはないか?などと質問攻めでした。また、女性用プログラムとか、視覚障害者のための特殊展示にはないかということで、「さわる」展示の説明をしました。そんな企画については、今後ぜひ緊密な意見交換がしたいとのこと。
こちらからは展示をどう思う?と聞きました。目玉がない、こわれたモノを展示するな(土器片をならべていることらしい)、暗い、モノトーン、などの意見がでて、じゃーどうすればいいと聞くと、陳列棚を赤、黒、金などで色とりどりにという。M教授が、世界民族はさまざまだなーと苦笑いしていました。研修の宿題にするというのでそのレポートが楽しみです。
(カンチョー)
写真は、このプログラムのコーディネイトを担当している(有)コモードデザイン・熊谷孝さん撮影。
コメント
その(1)日本におりますと、博物館といえばイギリスだとか、フランス、アメリカなどの超有名なところや、日本の中でも大勢の来館者で賑わう話題の施設ばかりがテレビで報道されて目立ってしまいますが、名前も知らないような博物館が世界中のいたるところにあります。地域の文化をなんとかまもって後世に残して、博物館が地域住民の拠り所となるように努力されている人々が、大勢います。もちろん、日本の博物館の方や、「すいはく」にかかわっておられる方もそうですね。
一口に中東地域の博物館といっても、扱っている資料の違いもありますし、エジプトの有名な博物館のようにものすごい来館者があり職員も大勢いる巨大博物館から、館長が一人でいろんな役割をこなす大変ちいさな博物館まで、規模や予算が違うだけでなく、運営の考え方や将来に向けての方針もさまざまなようです。
その(2)へつづく
くまピ