ビールのお勉強

日本には長い酒の歴史があるが、ビールは新参もの、よく飲まれるようになったのは1960年代の後半からである。だからビールについての経験や知識はまだまだ浅い。

私自身にしても、日本酒派で、ビールにはあまり興味がなかったということもあるが、1971年にハワイに行ったとき、ルートビアはてっきりビールだと思って注文して飲んでみてがっかりしたこと、90年代に、ロシアの学者たちにビールを差し入れたとき、安いからと発泡酒をだしたら、イヤーな顔をされた(それでも結局は全部飲んじゃったけど)ことなど思い出してはずかしい。ビール展をやるにあたってこれじゃイカンとあらためてしらべることにしました(ニワカ勉強なので間違ってれば言ってくださいね)。

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辞書をみると、ビールにはエールとビールの2種類があるとある。まず、エールは、常温で短い期間で発酵させる、その時盛んに炭酸ガスが出て酵母が水面に浮かぶので上面発酵と呼ばれる。味や香りは濃厚複雑、地域や醸造書によってつよい特徴がある。

これに対し、私たちがビールと呼んでいるのは大量生産に適し、保存がよいので、19世紀に爆発的に人気がでて世界市場を制覇したラガービールである。これは、低温で長期間をかけ発酵させるために酵母塊が底にたまるので下面発酵と呼ばれる。日本に持ち込まれたのもこれ、しかも数社が独占して同じようなモノを造ったので、日本人はビールと言えばラガータイプだと思いこんでしまったようだ。

日本人がビールにも色々あると気付くのは、1994年の酒造法の改正による。最低生産量を2000キロリットルから60キロリットルに緩和したので、実験的に変わったビールを造ることができるようになった。それを後押ししたのが「観光」だった。1つは日本人が気軽に世界旅行をするようになり、いろんなビールがあることを知ったこと、もう1つは日本の観光地が、地域振興をめざして特色あるビールを造り始めた。その結果、全国に130近い「地ビール」メーカーが出現し、百花繚乱の趣を見せるようになったことは、しもpiさんの報告にあるとおりです。

教科書的になりますが、一応ビールの分類を紹介しておきましょう。(図出典:平凡社 世界大百科事典 1988 24巻p.189)

(カンチョー)

コメント

  1. きょうちゃん より:

    とどのつまりは、ビールも水に行き着く心境です。

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