平成○○年の秋、ある小学2年生3クラスが遠足で紫金山ビジターセンターに来ています。みんな手には画用紙を持っていて、紫金山公園で拾ってきた落ち葉を4~5枚張っています。落ち葉の木の名前が書かれています。そうです、自然体験学習をしているのです。その落ち葉を使ってキツネの絵を描いている子もいます。天気が心配されましたが、100名の生徒が入れるこのセンターは、中でお弁当も食べることができるので安心して先生は計画をたてたようです。この建物の中には、紫金山の植物や野鳥の写真がパネルにして貼ってあります。ロビーには、たくさんの子供用図鑑があり調べている子もいます。研究室から指導者の職員の方が現われ、最近発見されたタヌキの剥製を見せてくれました。子どもたちは実物のタヌキを見たことがありませんでしたので、喜んでさわっています。指導者の方が紫金山の生き物のお話をしています。
次の日曜日は、3組の親子連れグループが、「紫金山の植物を知りたいので、案内して欲しい」と訪ねて来ました。ボランティアの方が、「今、ドングリがたくさん落ちていますので、3種類のドングリを拾い、木の葉とドングリで手作り図鑑をつくろう」と話し合って山の中に入っていきました。
夕方から、自然好きな大人グループの方々が集まって来て、なにやら会議を始めました。この夏に吹田全域で行ったセミ抜け殻調査のまとめをするための会議のようです。そして、最後には、コーヒーを入れての検討会になっています。 吹田での生き物調査が盛んになり、多くの市民や小中学生、高校生も参加して、吹田全域での抜け殻を集め、セミの種類とその地域ごとの緑地環境との関係を調べているのです。何だか楽しそうに吹田市の地図上に印を付けています。立派な環境教育の場になっているようです。
そんなに立派な施設ではありませんが、体験を重視した取り組みと熱心なボランティアの協力で、小さなビジターセンターは、賑わっていました。次回には、「市内セミの状況と自然環境」シンポジウムの開催を、隣の博物館集会室でやる予定なので、その準備を始めています。
吹田のような自然がほとんど残っていないような場所に、ビジターセンターが必要なのかという議論が過去にありました。しかし市民は自然が少ない分、身近なところの小さな自然に関心を持ち、ふれ合おうとしています。まして、小さな子どもは、直接の自然体験や学習ができる場所があるのとないのとでは、豊かな感性の持ち主としての人間として成長することにも大きな影響を与えてしまいます。環境を考え行動する市民も集まれる拠点ができて活動が活発にできるようになって喜んでいます。やはりビジターセンター必要だったのです。
(タカちゃん)
コメント
もし、「釈迦が池」を取り上げれば1.池の歴史:人工か自然か(排水装置など)、その利用=配水、狩猟、漁労、食用植物 3.まわりの植生=景観、の変化、古地図、写真、古文書 2.自然と生態=どんな生き物がいるか 3.これからどう利用するか ボート遊びなど。ビジターセンター、現地、歴史と未来を描くいい展覧会ができそうですね。
子どもにとって身近な自然がとっても大切なものだと、この歳になって感じます。私は田舎育ちで、お寺の石垣のどこに何時頃土筆が目をだすか、スミレが咲くか、裏山のどこに山ゆりが咲くか、川の土手に猫柳が顔を出し、水がぬるみメダカが泳ぎだしたり、タナゴはどこにいるかなど、自分で毎日遊びながら見つけ出し、覚えていきました。綺麗に整備された緑の中でなく、自然の中で子どもを遊ばせたいものです。紫金山の遊歩道のはずれた所に、子どもが遊び道を作っていたりしますが、そんなのを見るとほっとします。自分で考え、気付き、行動する。こんな当たり前のことを、遊びを通して学ぶのでしょうか。大人から与えられるものでなく、自然のなかから感じ取ってほしいな。
はじめて、Tちゃんが4年間努めていた「雪入りふれあいの里」寝いちゃセンターに行って来ました。まさに、初夢博物館の紫金山ビジターセンターのようなところでした…。