ただのムシ : 水田の生物多様性ついて

(ドブログの不調で報告が遅れましたが)2/27日に東京であった、国士舘大学アジア・日本研究センターシンポジウム「自然と人間の付き合い」での発表者の1人に宇根豊さんがいました。肩書きは(百姓・農と自然の研究所代表)で、水田稲作の現場からの発言が大変おもしろかった。

水田のムシを調べてみると害虫は約100種、益虫(害虫の天敵)約300種、ほかに「ただのムシ」が700種。これまで日本ではは増産のため害虫駆除に力を注ぎ、農薬を振りまいて虫を全部殺してきた。その影響は魚や鳥にまでおよんで、従来あった生物多様性のシステムをこわしてしまった。

もう1つは落ち穂拾い。今は落ち穂をひろわなくなったが、計算すると、10アールあたり10kgと相当な量になる。この恵みを雁や白鳥や鶴などの冬鳥がいただいており、1羽の雁に100日分の餌を与えているのだ。

画像現代の科学を駆使した農は結果だけをねらった「つくる」になっているが、むかしは自然の恵みによって「できる」農だった。その「ゆとり」を再び考え、見直す必要があるのではないか。最後の「自然と人間は食べ物でつながっている。このことを、天地有情という。天地とは自然を内側から見た様子であり、有情とは生き物のことである。この世は、生き物で満ちていて、その有情同志は深い関係で結ばれている。もちろん人間も有り情の一員である」の言葉は、机上論に走りがちな学者や役人にとっては「目からうろこ」のように新鮮で、刺激的でした。

(カンチョー)

コメント

  1. 団塊の婆 より:

    そうです!人間だけが搾取していてはだめなのです。
    他の生きものたちと共に生き、暮らすのがあるべき姿でしょう。
    京都に法然院というお寺があります。
    そこには「共生堂」という環境ボランティアのための建物があります。

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