7月16日(土)午後2時から、「ポスト石油-これからのエネルギーを考える」がありました。講師は、総合地球環境学研究所副所長の佐藤洋一郎先生。
先生から、いくつかの問題提起をしていただきました。人類の1人1日あたりエネルギー消費量グラフです。われわれのエネルギー消費量は、偉大なる停滞の後、加速度的に増加しました。変化が起こったのは200年前の産業革命以降で、100万年におよぶ人類の長い長い歴史のなかではつい最近のできごとです。この先、グラフはどうなっていくのか?
次に、農業がはじまってからの人口増加と、日本のコメの単位面積あたりの収穫量のグラフ。こちらも偉大なる停滞の後、ここ100年ちょっとの間に急に3倍の収穫ができるようになった。この主たる原因は、化学肥料を使うようになったからです。では化学肥料というのは、何からつくっているのか。石油と電気です。もし石油がなくなったら(地質学者によると、掘る費用のことさえ考慮しなければなくなることはないそうですが)、農業はどうなるのでしょうか。
また、われわれの人類の長い長い歴史のなかでは、氷河期もありましたが、現在のような高温期も何度か経験しています。CO2の増加による温暖化を心配していましたが、それだけでいいのでしょうか?
佐藤先生が、かつてラオスで経験されたこと--メコン川が氾濫するというので、外国人に退避命令がでたけれど、現地の友人は平然としている。隣国に出国する数日前、ビエンチャンの町をあるくと、なにやら市民はうきうきしているようにさえ見える。洪水が来るという悲壮感がない。なかにはバケツやひしゃくを買っている人まで。こっそり教えてもらったところによると、40年前の決壊のときは、コイが流れてきて、しばらく食べ物に困らなかったというのだそうです・・・社会のしくみによっては、洪水は悪いことばかりではないのでしょうか?
これらの問題提起をうけてカンチョー乱入&フロアからの質問となり、活発なやりとりがありました
これが正解というものがないのですね。なるようになる・・・のか?神のみぞ知るなのかも。
(おーぼら、こぼら)
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コメント
震災後の多くの日本人の考え・思いに迎合することなく、時に辛辣に時にユニークにご自身のお考えを論理的に表明される佐藤先生に、研究者魂を感じると同時に、一研究者として我もかくありたいと気持ちを新たにした.