飛鳥・奈良の旅

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40年前、国際基督教大学で助手をしていた。その頃、美術・考古学のDr.キダーが春休み、アートト・リップと称して、学生たちをつれて、京都、奈良、飛鳥を一週間ほどかけ、遺跡、古墳、寺社を見てまわる旅をやっていた。「飛騨詰所」という東本願寺前の不思議な(格安の)宿に泊まり、歩き、バス、電車のハードな行程だった。わたしの主な仕事といえば、外人は生卵が食べられないので、茹で卵か、目玉焼きかの注文とりくらいだったのだが、日本の美術・考古学を評価するという世界的な視点のあることを教えられた。

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今年、先生が来日するので、「アートトリップ再び」をやろうという話になり、企画と案内の役をつとめることになった。先生は85歳、あのギャルたちでさえすでに還暦をすぎ、昔の元気はない。しかも、日程は2日間に限られた(ほとんどの人が定年退職してるのに、何故みんなこんなにいそがしいのかしら)のでどうすればいいものかと思案に暮れた。 まっとうに考えると、やはり時代順になる。すると、弥生時代は唐古遺跡、古墳時代は、古くは箸墓(卑弥呼のものともいわれる)、新しければ高松塚、そして飛鳥時代は法隆寺、奈良時代は11/10日までやっている正倉院展というところか。

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というわけで、視察のために飛鳥を車でまわってきた。観光地図を見ると頭がクラクラするほど行くべき場所が多く、まともにやれば何ヶ月もかかるだろうと思う。

それにしても、飛鳥をゆっくり見学するのは久しぶりだった。日本という国には、土地や景観に歴史が濃密につまっていることを実感した。しかし、濃淡はあるにせよ、すいはくで吹田市を中心とした、歴史の旅を企画することができるのではないかと思いつく。拡大版「ぐるっと吹田」である。その旅のはじめとして、飛鳥をえらべば、日本という国の始まりと発展の軌跡を理解することができ、それが北摂の地にどんな影響を与えたかを考えるきっかけになって、おもしろいのではないだろうかと思った。

(カンチョー)

写真・上から…田原町の唐古遺跡資料館~高松塚周辺の景観~自信満々でつくった高松塚の壁画保存の装置はうまくいかなかった

コメント

  1. きょうちゃん より:

    カンチョー 楽しく読みました。 とりあえずです。

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