新春 吹田の水シンポジウム:水のまち吹田からの提言

4日メイシアター小ホールで「新春 吹田の水シンポジウム」がありました。三が日が終わったところなのに小ホールは立ち見がでる盛況ぶりでした。

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第一部は13時から
宇宙航空研究開発機構(JAXA)主任研究員・小口美津夫(おぐち みつお)さんによる基調講演「宇宙から見た地球環境」が始まり、小口さんは宇宙へ出かけるスタイルで登場しました。

1.宇宙から見た水の惑星地球
2.人類の活動と地球温暖化
3.温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」
4.宇宙での自給自足を目指して
5.まとめ

の順で話は進みました。
ISS(International Space Station国際宇宙ステーション)や現在月の周囲を回っている「かぐや」からの美しいふんだんな動画が紹介されました。もちろん月の地平線から昇ってくる「満地球の出」のどうがもありました。
色彩のない荒涼とした月と、水の惑星との差を印象づけました。人類活動にともない、地球温暖化に向かっていることは事実。

その主な原因が二酸化炭素(CO2)濃度の増加です。
しかし世界で現在、定期的にCO2濃度を測定している場所は北半球を中心に282ヵ所にすぎません。

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そこでJAXAはまもなく今月21日(水)温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)を打ち上げます。GOSATは地球上の5万6千ヶ所のCO2濃度を三日ごとに観測し続けてくれます。
これによって、人類の活動によってCO2が「どこで生まれ、どこで吸収されているのか」が明らかになることが期待されています。
※GOSAT:Greenhouse gases Observing SATellite
ISS(国際宇宙ステーション)などでの宇宙生活で酸素・食料は地上と同じくらい使うが、ふだん地上で一日に10L使う水は極端に制限され1.6Lしか使えない。宇宙生活での水は貴重で、コップ一杯の水が30~40万円する計算になる。

そこでNASAは08年11月、宇宙飛行士の尿を再生して飲料水を作る装置を宇宙に打ち上げた。今年2月にISS(国際宇宙ステーション)に行く若田宇宙飛行士はこの装置でできた水を飲むことになる。
しかしNASAの装置は大きくて消費電力が大きい。しかも尿中のアンモニアを完全には除去できないという欠点がある。
宇宙での飲料水にも水質基準があり、NASAの基準は、ほぼ日本の水質基準と同じだが、有機物が日本の水道水基準の1/10になっている。

私(=小口氏)は快適で健康な宇宙生活のための水再生技術を、吹田が生んだニューメディカ・テック(吹田市広芝町)とともに研究している。ニューメディカ・テック株式会社ではNASAの装置を上回る、小型で低電力、長寿命の装置を研究開発している。成果が期待されている。

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第二部は14:05から
シンポジウム「吹田から世界の水問題を考える:水のまち吹田からの提言」が元NHKアナウンサー寺谷一紀さんの司会進行でおこなわれました。
淀川から半分以上の水をもらっている(※)吹田市として琵琶湖など上流流域の人々への感謝の気持ちを忘れず、水に関して世界に発信する吹田のものについて各々のパネリストが意見を交わしました。
(※吹田市の水は52%が淀川から、残り48%は井戸水です。)

・西村六善さん(内閣官房参与・前地球環境問題全権大使)
・楠見晴重さん(関西大学環境都市工学部長 地球環境・地下水工学専門)
・槇村久子さん(京都女子大教授・淀川さくら街道ネットワーク理事長)
・小口美津夫さん(宇宙航空研究開発機構主任研究員)
・阪口善雄 吹田市長

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参加者全員に「吹田 いずみの水」が配られシンポジウムはこの水を飲んだ感想から始まりました。
吹田市のホームページによると

水道部では平成9年(1997年)から導入しております高度浄水処理水のおいしさや品質について改めて理解をしていただき、水道水を安心して使用していただけるようPRするために、ボトル水「吹田 いずみの水」を製造しました。

本市の泉浄水所で処理した地下水および淀川の水をブレンドした後に高度浄水処理(オゾン及び活性炭処理)した水を350ml入りペットボトルに詰めました。

ラベルのデザインはかつて竹林が多くあり、筍の産地であった吹田の歴史を竹の葉として表して、それを水流に見立てたものを背景とし、「元気」と「さわやかさ」をテーマに、小学生の男の子と女の子が、大きな水滴の上で「いずみの水」を飲み、元気いっぱいの毎日を過ごしている様子を描いています。また、その水流には「吹」の隠し文字も描かれています。

(おーぼら)

コメント

  1. きょうちゃん より:

    1/5 日 片山浄水場の地下水を飲みました。るる。

  2. めろめーろ より:

    文中の次の()内の記述は誤っていると思います。(※吹田市の水は52%が淀川から、残り48%は井戸水です。)たぶん地下水の比率は30%程度ではないかと思います。水道のひとに訊いてみてください。

  3. おーぼら より:

    (※吹田市の水は52%が淀川から、残り48%は井戸水です。)
     └──これは会場で市長が発言した内容です。(正確かどうか裏づけはとっていません)

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