わたしとバスオールの最初の出会いは、2000年7月に自分のホームページ【洗いの殿堂】をスタートした後、すぐにいただいた読者投稿。
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記憶に違いなければ、昭和35年頃に家庭の部屋の片隅に置けるようなカセットタイプのユニットバスを知っています。湯や水は外部からホースで引き込んでいました。<ほくさん>と言う会社が作ったものですが、現在のような洗い場のない浴槽だけの物でした。
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なんて珍しいお風呂だろうとすぐにリターンすると、もっと詳しいお話をいただいた。
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昭和35年頃と言いましたが、気になりましたので調べましたところ、1963年(昭和38年)9月発売。簡易設置型浴室ユニット『バスオール』として発売との事です。申し訳ありませんでした。改めて訂正致します。<ほくさん>は、合併を繰り返し現在は<エア・ウオーター>という会社になっています。
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1930年代生まれの男性で北海道在住、今はリタイアしているけれど、在職中はエンジニア関連の仕事で<ほくさん>と関わりがあり知っていたとのこと。 始めたばかりのホームページに、遠い町に住む見ず知らずの先輩男性から届いた言葉に、インターネットの不思議な温かさを感じた。
同じ時期に投稿をくださった人が、当時のほくさんで『バスオール』の最後の機種を開発担当していたとのことで、昔の写真を送ってくださる。 聞き書きと写真をもとに【洗いの殿堂】に記事を掲載した。 その後また、TVビフォーアフターを見て『バスオール』を探して【洗いの殿堂】にたどり着いたという読者から「流したお湯はどこへ流れたのか」と質問投稿をいただく。 今度は、エア・ウォーター・エモト社員さんという読者からお話と資料をいただき記事を掲載した。
じつは、この人が『バスオール』メーカーの社員さんだとは、長く知らなかった。 インターネットは匿名・匿顔の世界、違う見方をすればどんな人も等しくフラットな世界。 なので企業の垣根を越えて、一人の生活者として対話ができる面白さがある。 そしてこの人が、エア・ウォーターの元副社長さんの指示で、散逸した『バスオール』の資料を集めている人だった。
(おかきた’まり)
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