午後4時をすぎると博物館の入場者も一段落して静かになる。のどが渇いたので裏の広場の自動販売機まででかけて行く。犬の散歩はまだ早いらしくか芝生はまだガランとしている。今夏の展示は「吹田の生き物を集めよう」というのが目玉だったが、携帯の写真で、とか、どんな生物でも、など方法が煩雑すぎたのか、広げすぎて焦点がぼけたのか、昨年のセミの抜け殻ほどには動きがない。
ドリンク片手に椅子にこしをおろしてあたりを、ぼんやり見ていると、カラス、ハト、スズメなどのおなじみの鳥、ツバメが地面すれすれに滑空する。紫金山から聞こえる囀りはなんの鳥だか、私には聞き分けられない。一ヶ月ほど前、キリキリと甲高い声を上げて、飛びまわり小学校に泊まっていたのはケリだと副館長におそわった。
芝生にはモンシロチョウやキチョウがふらふら飛び交い、クスノキにからんでいるのがアオスジアゲハ、高く飛びさるくろい蝶はもしかしたらナガサキアゲハだろうか、早くて高くて見上げるだけだった四国の少年にとっては、あこがれの蝶だった。ところが地球温暖化のためか、生息域が拡大してこのあたりまで棲むようになっているらしい。森にはクワガタやカブトムシ、カミキリムシもいるのは虫かごをみればわかる。首や足が痒いのはヤブカ、まあこれもムシなんだ。とにかくずいぶんたくさんの生き物がいるんだ。
紫金山は急速な都市化の進む吹田市のなかで、生き物のオアシスなのだ、この展覧会もあと2週間、こどもたちの夏休みの宿題追い込みに時期に合わせ、紫金山のトリやムシに焦点を合わせ、実物や写真を持ってきてもらうイベントを仕立てるのはどうでしょう。
(カンチョー)
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