エストニアの「見えない」展示

8月末に北欧はバルト三国のラトビアで開催されたヨーロッパ景観学会に行った帰りに、昨年カンチョーとご一緒したおとなりの国、エストニア第2の都市タルトゥに行ってきました。きれいな町並みに、カーディガンがいる涼しさ。もう移住してしまいたい、かも。

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目的はショッピングモール2階にある小さな科学博物館AHHAAで開催中の「さわる展示」。ずばり、3、4人が一組になって暗闇に入り、視覚のない世界を体感するというものです。入口で視覚障害の方が使う白い杖を渡され、「これから公園を散歩します。パニックにならずに、リラックスして」とアドバイスされた後、さて突入。中は、もちろんこんな感じです。

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最初はもうどうしようかと不安になりましたが、音や手を取ってていねいにガイドしてくれるので安心でした。慣れてくると、「公園」の木にさわったり、自転車があったり、クマなどの置物をなでたり、ついには川でボートに乗ったり、目が見えないのを忘れて?遊んでしまいました。最後にカフェで熱いコーヒーをいただくのも平気です。1時間があっという間に過ぎて、外に出てみると外側はこんな感じです。

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右側の扉が入り口で、公園というのは、左の銀色のドームの中だったのです。広い広い場所と思っていたので、こんな小さな場所だったというのにショックを受けました。ガイドさんは視覚障害者の女性でした。「目が見えなければ、その他の感覚がとても鋭くなるものです。そして、全く新しい世界が開けてくるのがわかりましたか?」といたずらっぽくコメントしてくださいました。

7月から続くこのイベント、とても人気です。視覚がないランドスケープ、ここのところ味わったことのないカルチャーショックでした。ご興味のある方、ホームページは
http://www.ahhaa.ee/en/ahhaa_dark_matters です。吹田博でもこんな試み、いかがでしょうか?

(内山純蔵 総合地球環境学研究所)

コメント

  1. カンチョー より:

    指定のあったHPには用事はパニックになるのでこないでというのがありました。広瀬先生や円グループなど皆様の意見を伺って吹田らしい展示を考えてみたいですね。

  2. カンチョーのコメントに対するコメント より:

    カンチョーコメントの「用事」は、「幼児」の書き間違いかと思われます。。

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