8月15日午後2時から講座室で生物多様性に配慮した庭づくり ~ベランダや屋上のみどり~という内容の講座がありました。
はじめに兵庫県立淡路景観園芸学校景観園芸指導員の澤田佳宏さんが『道ばた・公園・庭先でできる自然再生』の講演。昨年に引き続きの講演で、「昨年は外来種と在来種の話をしたので、今日は今、日本中で急速に減少している草地の植物の話をします。」とのお言葉から始まった澤田さんの熱いお話です。
すいた市民環境会議が調査した「吹田の野草マップ」を見ると一部にだが草原の草、ウツボグサやツリガネニンジンがあった。吹田は数十年前までは里地・里山で、薪炭林や田畑があり、人間が手を入れてきた「半自然草原」の畔の斜面などにあったのがウツボグサやツリガネニンジンなどの草原性の草である。
温帯に属する日本の気候は、手を加えず放置してると樹木が育ち、草原はできない。日本で自然のままで草原として成立している場所は、海岸の砂丘や干潟、河川・池沼の河畔のように繰り返す氾濫にさらされる場所、湿地や湿原、高地・高山など。これらの場所以外では火入れをしたり、牛の餌のために草を刈るなど定期的に人間が手を加えている場所だ。
「半自然草原」は、萱場・放牧地・あぜ道・堤防法面などであり、草原の植物は路上や路傍、林縁などで古くからの土が残っているところにもある。畑地・水田の雑草にも草原の植物はある。
しかし半自然草原の現状は、その場所の役割を失い、放棄されたり土地利用が変化したりし、半自然草原の植物のいくつかは絶滅危惧種になっている。
また、新たな整備事業として土が入れられて多くの植物の根や種が残る古い土がなくなり外来植物にとって代わられたりしている。
ウツボグサ、ツリガネニンジン、ノアザミ、ゲンノショウコ、アキノタムラソウ、センニンソウ、ゼンマイ、ワレモコウ、などなど多くの植物が消えていっている。
しかし、これらの植物は定期的に草刈りをするなどして場所を作ってやることで再生させることも可能である。たとえば現在兵庫県立淡路景観園芸学校ではネズミムギが生い茂る土地に消えつつある半自然草原を再生させようと授業の中で実験をしている。場合によっては土壌改良の必要な時もあるが、吹田は自然を復元・再生しなければならない状況だが、今残っている草の種を取って復元させることができると思われる。
◆ひきつづき兵庫県立大学専門職大学院 緑環境景観マネジメント研究科准教授の岩崎哲也さんが
『生物多様性に配慮した庭づくり~ベランダや屋上のみどり~』のおはなし。
淡路島に行く前は東京練馬区役所にいました。その時に地域の人たちと作った本があります。小さなみどりと命のかかわりを町の地図のなかに入れたものです。
【「この本では、あなたのお庭やベランダ、近所の公園や学校、商店街や街路樹など、いろいろな場所で、生きものと一緒にくらすためのアイディア“いきものつながり”を紹介します。大切なことは、公園や樹林などの大きな生息空間だけでなく、庭やベランダなどに作りだす、ごく小さな生息空間も、それぞれがつながりあうことです。そんな“生きもの目線”で地域やまち、みどりを見てみましょう。」】
今、子どもたちの接する命が少なくなりました。身近な命とのかかわりが大切です。
皆さんは草むらをかき分けて下を見たことがありますか?下はどんな色をしていますか?
そこにいる昆虫の色は?
屋上・ベランダに小さなプランターを1つ置き、草が生えるといろんな生きものがやってきます。
とのお話でいろいろなバッタ類の写真と声を聞かせてくださいました。
そして、大阪ガスの実験ビルnexst21を紹介され、屋上緑化はここ30年くらい盛んになってきて都市の中の小さな生態系になっている、とおっしゃっていました。
その後、外のベランダ緑化の展示を見ながら質問をうけたり話が広がっていました。
(おーぼら 団塊の婆 きょーちゃん)
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