津波と縄文式ニュータウン

三陸のリアス式海岸にはたくさんの縄文遺跡があり、普段、波静かな湾は、漁業を中心とした生活を送るには大変恵まれた環境下にある。これらの遺跡は今回の大津波で消し去られなかったのか、と聞いたら「あのあたりの遺跡は高台にあるので、《まだ確かめてはいませんが》大丈夫だと思います」と N氏は言った。

彼は、地球研で、GISや探査衛星画像を活用し、景観として考古学遺跡の解析という新しい分野にいどんでいる。この方法をつかい、 今回津波におそわれた地域での、遺跡の被害状況とを地形変化(特に海岸線の変化)の関係を歴史的にとらえると面白いプロジェクトになるだろうと話 しあった。縄文人が集落に高台をという選地をしていたとすると、彼らの叡智におどろく。

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報道によると、政府による地震・津波被災地の復興プランが本格的に動き始めたようだ。この地方が津波被害を受けるだろうことは、わたしたちは歴史記録から知ってはいた。しかしそれは30年とか100年とかの間隔でおこるものであるために、いつのまにか便利な低地に移った結果、惨事を招いたのである。

しかし、最近の都市計画や土木・建築技術の発達はめざましいし、経験も積んだ。それを活用して、職住分離、すなわち生活・居住区は高地に、海岸 部の低地には堅牢な高層の建物を要所に配した「やわらかな」装置をつくる、という基本設計がなされるべきではないか。考えてみれば、これは千里に はじまるニュータウンではじまり、日本各地ですでにおこなわれているのである。さらにいえば、何千年も前の縄文人さえ知っていたことなのだから。

(カンチョー)

コメント

  1. noga より:

    今回の東北関東の大震災でお亡くなりになられた方と そのご家族のみなさんに心からお悔やみ申し上げます。災害に遭われた東北の各都市は、今度こそ世界の人が目を見張る、立派な防災都市に生まれ変わる必要があります。さすれば、観光の名所にもなるでしょう。世界遺産にもなるでしょう。はたして、この国には、この目的を成し遂げるためにふさわしい有能な政治家と、計画都市の設計者はいるのであろうか。壊滅状態にある地方都市に、世界観とマスタープランを堅持した有能な政治家は育っているのであろうか。我が国民は、防災に弱い家を建てる大ブタか、中ブタか、それとも、強い小ブタであろうかが判明するときであります。国民は、自分の体に見合ったサイズの政治家を選ぶものでしょう。我々は、ひ弱な花ではなくて、偉大な国民になろう。今回の大震災を好機ととらえて (復旧ではない) 復興に邁進しよう。

    http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
    http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

    子供の時から思い込みが強いほうで、損ばかりしている。
    子供のころは、「日本は必ず勝つ」という軍国主義の神話を教えられ、それを固く信じていた。
    この軍国主義は、原爆であえなく崩れ去った。
    戦後は、「平和利用の原発は絶対に安全である」という原発主義の神話を教えられ、それを信じていた。
    この原発主義の神話は、今回の東日本大震災であえなく崩れ去った。

    何せ、我々は、丸暗記と受け売りの学校教育しか受けていないので、問題の解決能力はない。
    だが、事態を台無しにする力を持っている。だから、世の中は難しい。
    この無軌道が我が国を迷走させる原因となっていて、自分自身にとって危険なものになっている。

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